大ヒット中の「N-VAN」は 商用バンの主役になりえるのか?

7月13日に発売された新型軽バン「N-VAN(エヌバン)」の累計受注台数は、8月20日現在で14,000台を超え、販売計画の月3,000台を大きく上回る好調な立ち上がりとなっています。助手席側センターピラーレスとテールゲートのダブルビッグ大開口による、積み降ろし作業時の使い勝手の良さと、低床フロアと助手席ダイブダウンによる大空間の荷室、そして乗用車仕様の「N-BOX」同様の安全装備が公表の理由とされています。

ところで、これまで軽バンの主流だったスズキ「エブリィ」や、ダイハツの「ハイゼットカーゴ」のようなキャブオーバータイプから、このFFパッケージの「N-VAN」は、軽バンの新しい基準となりえたのでしょうか。

・荷物を満載にはできない「N-VAN」

助手席側センターピラーレスとテールゲートのダブルビッグ大開口による、積み降ろし作業時の使い勝手の良さと、低床フロアと助手席ダイブダウンによる大空間の荷室という言葉だけを見ると、素晴らしい軽バンと思えますが、軽バンでの運送業を経験したものには「眉唾もの」なのです。

まず、「低床フロア」ですが、確かに積み降ろし作業において、車内に乗り込むのは楽なのですが、低すぎると腰に負担がかかるのも事実なのです。キャブオーバータイプは意外と荷物が取りやすく、腰に負担のかからない絶妙なフロアの高さでもあるのです。

助手席側センターピラーレスのスライドドアは、どんな荷物を想定して便利なのかわかりません。逆にオープン時に「助手席ダイブダウン」も利用していたら荷崩れのおそれがあり、積み込み方法も難しいのです。つまり、荷物を満載にはできないのです。

実際には助手席をダイブダウンさせて荷物を載せれば、運転席に荷物が崩れてくる可能性すらあります。したがって、助手席を起こして荷物を押さえることになり、そうなると荷室の長さはキャブオーバータイプより短かいことで、荷物スペースは不利になります。荷室の高さはあっても、シート上部を超えて積み上げるには特別な改良が必要です。

これが「N-VAN」は、軽バンの新しい基準となりえない理由です。

・「カングー」こそ「N-VAN」の目指す道

それでは、どのような人が何のために「N-VAN」を購入したのでしょうか。上記の理由で、少なくとも宅配業務には向いていないので、その他の小売店などでの配達も考えられますが、実際には個人での乗用ユースと考えるべきでしょう。

レジャーや趣味などのためという事は十分あるでしょう。例えば日本で大人気の「ルノー・カングー」のような使い方です。「カングー」も、もとはフランスをはじめとする欧州で人気のある商用バン。フランスの郵便局などが利用しているようです。

その「カングー」は、日本でレジャーやアウトドア、そしてペット愛好家に乗用車として使われて、大人気となっています。「N-VAN」は、この「カングー」のような使い方をされているのではないでしょうか。ホンダが「カングー」人気にあやかろうとしたがどうかは別として、そしてそれこそが「N-VAN」の目指す道なのではないでしょうか。

※まとめ
メーカーが考えたように車がT利用されないことは多い。しかし、売れればどんな利用をされてもかまいません。また、深読みすれば、ホンダはあえて利用方法を限定せず、ユーザーに「こんなクルマを造りましたが、貴方はどう使います?」というホンダの挑戦なのかも知れません。貴方はどう使いますか?

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